定食屋オーナー・よしみさんとの思い出①




これは私がまだ
ひよっこ営業だった頃の話ー
私はとある定食屋さんの
新規営業を
かけることになった
「じゃあこの店は
えりたが
担当してくれ」
「はいっ」
その定食屋はいつも
他社の求人広告チラシで
頻繁に掲載していた
「うむむぅ…」
「なに?」
「なんか
この求人広告…
ざっくりすぎません?」
「あー…
昔ながらの
出し方って感じだな」
しかもなんで
こんな頻繁に
掲載してるんだろう?
よほど忙しい定食屋で
みんなすぐに
辞めちゃうのかな?
はたまた店主が
めっちゃ厳しいか…
「とっとりあえず
行くだけ
行ってみよう…!」
おそるおそる私は
その定食屋へ営業に行った
「こんにちは…」
「はーい!
どちら様?」
「わっわたくし
求人広告営業をしている
求人エースの
えりたと申します」
ええっと…
「求人○○○」で
広告掲載されてるのを
拝見してまして…
あのーそのー
ぜひ当社でもご掲載を…
それより
あなた…
顔色すごく悪いわよ?
ちゃんと食べてるの?
へっ!?
「そういえば
朝も昼も
食べてなかったです…」
「もー若い女の子が
ダメじゃない!
ちょっと待ってて!」
「ランチで残った
お味噌汁!
飲んでって!」
「ええっそんなそんな…」
「いいから!」
煮干し出汁たっぷりの
お味噌汁は
とても美味しくて
「はぁぁぁぁ染みる…
おふくろの味って
感じですね」
「あははっそう?」
私は定食屋のオーナー
「よしみさん」の優しさに触れ
一気にファンになった
「で、なんの
営業さんだっけ?」
「求人広告です…」

飛び込み営業で出会った「よしみさん」とのエピソード

今回から新しい営業職時代のエピソードをお送りいたします。営業1年目の頃の話です。先にお伝えしておくと、ちょっと長めの話になりそうです。

というのも「よしみさん」との思い出はひと言では語れないといいますか…。私の人生に影響を与えてくれた方で、でもマンガとしてまとめるかすごく難しくて…。何年もあたためていたエピソードなのです。

お名前や店名、店の業態などはフェイクを織り交ぜています。ですが、よしみさんのお人柄はできる限りそのまま描きたいなと思っています。いつもより長編になりそうですが、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!