らしくないことをして呆れられた話②




その日の夜ーー
あ…
こんばんは
あっ…
昼間ご挨拶した
えりたです…
空いてる席
どーぞーー
あれ?
わわわっ夜になると
店の雰囲気
全然違う…!
こんなおしゃれな
居酒屋初めてだよ
どうしよう…
何で来たの?
えっ?
な、なんで…?
違うよ
車で来たの?
ってこと
あっハイ
そうです
車です!
じゃあお酒飲めないね
ウーロン茶?
あっハイそうですね
ではウーロン茶を
お願いします!
なぜこんなに
気を遣わねば
ならないのだ…
社会人1年目の私は
あんまりお金もなくて
ウーロン茶と鉄板焼き一品を
頼み ちまちまと食べた
店長は
私に声をかけることもなく
他のお客さんと仲良く
しゃべっていた
あ…お会計
お願いします
お会計千円です
はぃ…
あのさ
こういうことすれば
仕事もらえると思った?
正直
迷惑だよ
いや…
そんなわけでは…
正直 それは図星で
自分の軽率さが
恥ずかしくて
お店を出るので
精一杯だった
一人で居酒屋に行くのは
初めてで慣れておらず
あのお店で
私は完全に浮いていた
らしくないことをして
呆れられてしまった
情けなくて帰り道は
涙がこぼれた
それから私は
気まずくなってしまい
鉄板焼き居酒屋に
近づくことはなかった
いつの間にかお店は
閉店してしまった
つづく

軽率な行動でお客様に呆れられ…

「お店に食べに行けば、きっと店長に喜んでもらえて受注ももらえるだろう」そんな軽率で浅はかな考えはすべて見透かされていました。情けないですね。

それから気まずくなってお店とは疎遠になってしまいました。しばらくするとお店は閉店。もやもやした気持ちは晴れぬまま日々を過ごしていると…? つづく。

らしくないことをして呆れられた話③